<過去の受賞者>
2006,2009,2010 Ichiro Suzuki 2007 Alex Rios 2009 Franklin Gutierrez
2011 Justin Upton
昨年のJ.Uptonの得票ポイント84は全てのポジションの中で2番目に低く、混戦模様のRF。2位のJ.Heywardをはじめ、他の選手にも大いにチャンスはありそうだ。
<FBAを占う RF編>
オールスターブレイク後のDRS上位を中心にピックアップ。
2011 DRS7/Inn432.2
OAKに移籍後、レギュラーで起用されているReddickは攻守でチームに貢献している。
出足が悪くShallowこそ-4となっているが、Medium+6,Deepは+14とトータルで見ても優れた守備範囲を見せている。Reddickは送球面が素晴らしく、ここまでカットマン抜きで走者を刺した回数が9回と非常に多くOARSは5を記録。イニングが少ないながら昨年は冴えなかった進塁される確立も平均レベルに改善されている。エラーやミスプレイは若干多めになっているが、GFPも多くGFP/DMEは+2と良い水準。まだシーズンを通して守りについた事がないので評価は難しいが、彼の送球能力は現時点ではMLB上位といえる。
Jason Heyward (ATL) DRS12/Inn847.0
2010-2011 DRS30(AvgDRS15)/AvgInn1093
2010に3位,2011年に2位の得票数を得たJason HeywardはおそらくFBAに最も近い男の一人だろう。昨年のDRS15はRFでトップだったし、今年もここまでDRS12と傑出した存在である事を示している。強肩ではあるが課題とされていたスローイングはカットマン抜きでランナーを6度刺し、過去2年の通産と並んだ。問題は依然として無駄な進塁を許してしまうところでRF平均が.477に対して.595と厳しい数字。守備範囲は全てに対して強く(S+4,M+8,D+8)、キャリアを通じて強いDeepは過去二年と比べ減少しているものの今年も健在だ。今年はGFPが増え、それに伴いGFP/DMEも昨年より良化している。
Ichiro Suzuki (NYY) DRS12/Inn908.0
2009-2011 DRS-1(AvgDRS-0.33)/Inn1344
NYYに移籍した日本の至宝。
過去3年間の守備や彼の年齢を考えたとき、誰がこの成績を予想できただろうか。
たしかにキャリアハイの2004年(DRS30)に比べると見劣りする。
しかし、FBAを獲得した2006年や2009年,2010年のシーズンよりも38歳のシーズンが上回っているのだ。守備範囲はS+6,M+4,D+5と全てにおいて強さを見せ、バランスの面で言うと2004年さえも上回る。
次にスローイング面を見てみよう。ここ2年、平均より多くの確立で進塁を許してきたイチローだが、今年は.365と近年のMLB平均(.477)を大きく上回る。これは現時点ではキャリアでもっとも優れた数字となっている。機会は85回(キャリア平均132回)とシーズン半ばである事を考えると少なくはない。
カットマンを介さずに走者を刺した回数は2回とそれほど多くはないが、進塁の少なさを考慮する必要があるかもしれない。
※2003年は.379でKills8回、2004年は.377でKills7回を記録。.300台はこの二年のみ。
エラーやミスプレイも少ないのでGFP/DMEは+2と平均以上。
3度目のFBAを受賞してもなんら不思議ではないが、
NYYでは今後LFにまわる事が濃厚で、そうなると受賞は微妙になってくるのかもしれない。
Torii Hunter (LAA) DRS9/Inn643.2
2010-2011 DRS8(AvgDRS4)/AvgInn794
CFで9度のゴールドグラブ受賞の名手はチーム事情で2010年あたりからRFに回っている。
守備範囲はDeepに強いのがHunterの代名詞で今年も+7を記録。他は平均レベルだが問題はないだろう。送球面は素晴らしく、無駄な進塁を許さない(.429)ばかりかカットマン抜きで走者を5回刺している。今期のここまでのOARSは+4は非常に優秀な数字。DMやエラーも少なく、GFP/DME+2とこちらも高水準。年齢を重ねても非常に優れた能力を発揮できる素晴らしい外野手だ。
Ben Zobrist (TB) DRS9/Inn519.2
2009-2011 DRS23(AvgDRS7.6)/AvgInn519
MLBを代表するユーティリティーのZobrist。今年はRFでの起用が多くなっている。
守備範囲はS+4,M+5,D-1と今期も優れた水準でのプレーを披露。打球の処理も平均的なRFよりも+8多く処理している。非常に肩の強い選手で、今年もここまでカットマン抜きで走者を4度刺している。アベレージレベルと比べて無駄な進塁を許す事は少なく、OARSも+2を記録している。TBのようなディフェンスを重視するチームにおいてZobristの果たす役割は非常に大きいだろう。
Alex Rios (CWS) DRS7/Inn887.0
2007-2009 DRS28(AvgDRS9.3)/AvgInn1017
今シーズンはTOR在籍時以来のRFを勤めている。2007年にはRFでFBAを受賞。
CFに回った2シーズンは奮わなかったが、RFに戻った今シーズンはかつての輝きを取り戻している。RiosはRFでキャリアを通じでShallowとMediumの打球に強く、今年もS+5,M+7と素晴らしい成績。一方でDeepに対しては2009年以降マイナスを記録しており、2012シーズンもここまで-4となっている。昨年MLBのRFで4番目に良いOARS+4をマークしたのだが、今年はスローイング面でチームを助けるには至っていない。進塁される確立は.471と平均レベルで、カットマン抜きで走者を刺したのは1回に留まっている。
Justin Upton (ARI) DRS6/Inn812.1
2009-2011 DRS14(AvgDRS4.6)/AvgInn1221
昨年は素晴らしいシーズンを過ごし、FBAも受賞している。
打撃ではやや精細を欠くが、守備ではチームに大きく貢献している。
彼の守備範囲の大きな特徴はDeepへの強さ。これはMLB有数のものといって差し支えないだろう。2007年~2011年のトータルでは+76を記録しており、今年もここまで+14と相変わらずの強さを見せている。逆に平均を下回る事が多かったShallowに対して+3と改善を見せているのも大きい。このようにJ.Uptonの守備範囲は広く、多くの打球を処理する事ができる。彼の欠点はスローイングで、これはMLBでも下位レベル。過去3年間のOARSのトータルは-5と下から2番目となっている。今年もここまで-4とワーストレベル。多すぎるミスプレーは若干減ったものの、それでもGFP/DMEは-1。
Norichika Aoki (MIL) DRS3/Inn438.0
2012 CF・DRS-1/Inn112.0
MILのリードオフに定着した日本のヒットメーカー。
青木の守備範囲は平均的なレベルで、唯一Shallowにのみ+3と強さを見せている。また、打球処理の数は平均的なRFレベルに留まっている。機会が少ないとはいえ進塁を許すことが多く.611は今後改善すべき点だろう。またカットマンを介さず走者を刺した回数が2回で現段階でもRFとしては若干物足りない。エラーとミスプレーの少なさは青木の守備を評価する材料だ。GFPこそ多くはないが堅実なプレーがGFP/DME+1という数字に表れている。イニング数が少なく、青木本来の能力を測るのはまだ早いが、今後も攻守にアピールを続けて欲しい。
その他ではMINのRevereが好成績。ShallowとDeepに強い守備範囲が最大の武器だが、OARS(スローイングのRunsSaved)-4のスローイングは低レベルといわざるを得ない。昨年ゴールドグラブ受賞のMarkakis(BAL)はDRS-9と冴えない。Mediumの打球に弱く、平均的なRFに比べ打球の処理が7つも少ない。昨年はDRS2でFBA7位だった。