<過去の受賞者>
2006,2008 Carlos Beltran 2007 Andruw Jones 2009 Franklin Gutierrez
2010 Michael Bourn 2011 Austin Jackson
昨年はA.Jacksonが得票ポイント89で初のFBAに輝いた。近年の受賞者ではF.Gutierrezが3位(68ポイント),M.Bournが9位(25ポイント)に入っている。Gutierrezは度重なるDL入りで今年の受賞は絶望。昨年のゴールドグラブ受賞のM.KempはDRSでみると評価は低くなり、FBAの受賞は難しいか。
オールスターブレイク後のDRS上位を中心にピックアップ。
Michael Bourn (ATL) DRS12/Inn910.1
2009-2011 DRS38 (AvgDRS12.6)/AvgInn1291
2010年のFBA&ゴールドグラブ受賞者。
守備範囲は、昨年落ち込んだShallow,Mediumの両方が彼本来の水準に戻っている。その一方で、2010のHOU時代に+34、昨年2チームで+22を記録したDeepは+5にとどまっている。とはいえ、守備範囲は非常に広く打球処理も平均的な野手よりも+10多い。スローイング面はOARS(スローイングのRunsSaved)がキャリアトータルで+1と平均を上回るが、進塁を許す確率は平均レベル。今年はここまで.482とセンターでは良い水準(昨年はWASのAnkielが記録した.417が最高/平均は.564)をキープ。昨年-2を記録したGFP/DMEだが、キャリアを通じてマイナスに転じたのはこの一年のみ。今年も+1を記録と安定感のある守備を見せている。
Denard Span (MIN) DRS12/Inn803.1
2009-2011 DRS-1(AvgDRS-0.33)/AvgInn840
昨年ポジショニングやLF.RFとの連携を学び、守備の改善が図った。
その結果、Spanは昨年DRS9を記録してFBAの投票で7位に入っている。彼の今年の守備範囲はDeepに非常に強く(+17)、Shallow,Mediumは平均レベルだが、トータルの打球処理は+9と高いレベルにある。前方の打球へは出足の早さを生かして対処できるので、あらかじめやや深めに守るのが彼の特徴。肩はそれほど強くなく、進塁を防ぐのもキャリアを通じて平均未満(2012/.570)だが、今年は中継を介さずに走者を直接刺した回数が2回とキャリアの中でも良いほうの数字を記録。過去3年間のOARSは-12でワーストだが、今年は+1を記録している。
Mike Trout (LAA) DRS12/Inn417.0
2011 CF・DRS2/Inn107.2 RF・DRS0/Inn109.0
ルーキーながら凄まじい活躍をみせるTroutは守備でもチームに大きく貢献している。
守備範囲では特に強いのがDeep(+14)で、Shallow,Mediumはともに+3と平均をやや上回るレベル。しかし打球の処理はアベレージを+13も上回り、素晴らしいスピードで多くの打球を処理している課題があるとすれば送球面だろう。ここまでカットマンを介さずに走者を刺した回数は0で、進塁される確立も.571と平均をやや下回る。肩はそれほど強くはないとの指摘があるので、今後は素早い送球ができるような捕球姿勢を学ぶ必要があるのかもしれない。シーズン終了後に彼は間違いなく幾つかの表彰を受けるだろうが、その1つがFBAだったとしても不思議ではない。
Craig Gentry (TEX) DRS11/Inn487.0
2011 DRS8/Inn313.2
4番目の外野手という立ち位置ながら今期は出場を大幅に増やしている。
スピードが持ち味だが守備範囲は目を見張るような広大さを誇るわけではない。
しかしShallow,Medium,Deepと全てに対して平均を上回る守備範囲を持ち、打球の処理もアベレージを上回る。スーパープレイを連発するわけではないが、エラーやミスプレーが非常に少なく安定した守備を見せる。スローイング面も優れており、走者に進塁を許すケースも平均より少ない(.516)。
Peter Bourjos (LAA) DRS9/Inn456.1
2010-2011 DRS25(AvgDRS12.5)/AvgInn859
デビュー後の2年間でMLB有数のCFとの評価を確立したBourjosだが、
チーム事情で今年は出番を減らしている。1歩目の判断に優れた非常にセンスの良い選手で、打球に対するアプローチも素晴らしい。守備範囲は後方が最も強く(+9)、前方への飛び出しにも優れている。もちろん打球処理もアベレージ以上の数(+8)をこなしている。レンジの広さと同様に肩の強さも彼の武器になっている。今年もここまで進塁を許す確立は.459と平均を大きく上回る。ただし、OARSは昨年CFで+3を記録(CF全体6位)しているが、今年はここまで+1。カットマンなしで直接走者を刺したのも1回だけに留まっている。それでも彼がほぼパーフェクトなCFだということに揺らぎはないだろう。
Bryce Harper (WAS) DRS8/Inn308.2
2012 RF・DRS-6/Inn340.1
LAAのTroutと同じく、大きな期待を受けるHarperは守備ではRFとCFを兼任する。
イニング数はRFのほうがやや多いのだが、チームへの貢献度はCFのほうが圧倒的に良い。
CFの守備に対応するために一度はマイナーに落ちたが、この調子を持続させればいずれ良いCFになれるだろう。前方と後方に強さを見せる守備範囲と、走者の進塁を許さない(.435)肩の強さは魅力的だ。CFではカットマン抜きで走者を刺したことはないが、RFでは2回記録している(OARSはともに0)。課題はエラーとミスプレイの多さ。これはCF,RFに共通している。GFP/DMEでみるとCF-1,RF-2と平均を下回るレベル。300イニング程度で判断するのは危険だが、彼はまだ19歳だし、捕手出身という事を考慮すれば伸びる余地は充分ありそうだ。
Colby Rasmus (TOR) DRS6/Inn873.2
2009-2011 DRS-2(AvgDRS0.6)/AvgInn1048
RasmusはCFで常に積極的なプレーを見せている。
守備範囲はShallowとDeepに強く(S+7,D+7)Mediumは-3と平均以下。昨年最低レベルだった送球面は今年に入って安定している。送球面は昨年より改善され、進塁を許す確立は大幅に少なくなっている(.612→.475)。もっとも、これに関しては昨年が酷すぎただけで彼のキャリアを見ると今年が本来の姿といえるだろう。OARSは-1を記録しているが、過去3年間では+1と悪くはない。直接走者を刺すケースが少なく、過去3年で4回、今年は1回となっている(平均は3回程度)。DMEは今年も多く、積極性が裏目に出るシーンもありそうだ。
Austin Jackson (DET) DRS0/Inn707.2
2010-2011 DRS42(AvgDRS21)/AvgInn1260
2010.2011のFBA受賞者。
今シーズンのA.Jacksonはオフェンスで素晴らしい活躍を見せているが、ディフェンスではここまで彼本来の持ち味が出せていない。守備範囲はShallowこそ+7だが、Mediumは-5と昨年に比べて-17も悪くしている。そして過去2シーズンでは異常なまでの強さ(+24,+27)を見せていたDeepは-2と奮わない。送球面は走者の進塁を防ぐ確立こそ平均をやや上回るが、カットマンを介さないアシストが少なく、OARS-1となっている。ミスプレイはすでに昨年とほぼ同数となっているが、GFP/DMEは+1と比率的には平均以上。打球処理は平均的なCFよりわずかに+2だけ多い。シーズン後半でどれだけ巻き返すかが注目される。
Adam Jones (BAL) DRS-14/Inn940.0
2009-2011 DRS-10(AvgDRS-3.3)/Inn1194
2009年のゴールドグラブ受賞者。
A.Jonesの最大の武器はスローイングだ。過去3年間でカットマンを介さずに走者を刺した回数は28回で断トツのトップ。同様にOARSも+23と2位Ankelの+9に大差をつけている。しかし今年は少し様子が違う。機会は減っていないのにアシストは0,OARSは-1と強みを完全に失ってしまっている。守備範囲はShallowにのみ強さをみせるのは例年通りで、Medium-10,Deep-17と悲惨な数字が並ぶのもいつもの事だ。CFとして特に俊敏な動きが出来るほうではなく、捕球ルートも悪い。送球面での強さや守備範囲の狭さを考えるとRFへのコンバートが最適なのかもしれない。
その他ではMILのN.Morganも好成績を残している。レンジは昨年から引き続きDeepに強いところを見せている。しかしOARSは-1と送球面は相変わらず低い水準。LADのM.Kempは冒頭でも述べたとおりDRSでは評価が非常に低い。Mediumに対して-11、Deep-8と非常に危なっかしい。ただしスローイングはキャリアでも常に好成績で、今年もOARS+4を記録している。