<過去の受賞者>
2006/A.Beltre 2007/P.Feliz 2008/A.Beltre 2009/R.Zimmerman 2010/E.Longoria 2011/A.Beltre
Adrian.Beltreが過去6年間で3度受賞に輝いている。昨年の投票では10人中8人がBeltreに1位投票(2位投票が二名。得票ポイント98)をしている。2位のLongoriaも得票ポイント90と例年なら受賞してもおかしくないほどの支持を得たが相手が悪かった。3位にはSandovalが入ったが上位二名とは得票数で大きな差があった。
<2012FBAを占う 3B編>今回もDRS上位中心のピックアップ。昨年大きく数字を落とした2009の受賞者Zimmerman、新鋭のLawrieなどBeltreの受賞を阻む選手は出てくるだろうか。
Brett Lawrie (TOR) DRS16/Inn733.1
2011 DRS14/Inn380.1
攻守に期待の高い元捕手のカナダ人三塁手。
シーズン当初からずっと3BのDRSでトップをキープしている。+/-で見てみると三遊間方向の打球を平均より7つ多く捌き、正面も+9と出足の速さを生かした守備範囲を誇る。多くのグランドボールを処理する一方で、フライ・ライナーの処理はここまで平均レベル。昨年課題となったダブルプレーのスタートでの送球も、今のところ平均を上回っている。数字的にも飛びぬけており、今年のFBAの有力候補の一人だろう。
※オールスター前には飛びぬけて高いDRS31を記録していたが、これはTORが左のプルヒッターに対してLawrieを一二塁間の深い位置に置くシフトを敷いてた影響が大きいだろう。つまり通常三塁手が処理しないような位置で打球を処理するので+/-システムに大幅な影響を与えていたという事が考えられる。BaseballProspectusなどはこの件を取り上げて問題提起をする記事を発表していた。オールスター後に数値が訂正(DRS31→DRS16)されているので
追記:やはり上記の件でDRSの見直しが行われた模様。John Dewanが記事を書いている。
Brett Lawrie-Best Defensive Third Baseman in Baseball?
シフトに対しては新たにチーム単位で評価するShift Runs Savedが導入される。
Pedro Alvarez (PIT) DRS8/Inn656.2
2010-2011 DRS-21(AvgDRS-10.5) Inn/Avg682
過去2年の成績は-10,-11と散々だったが、DRSでみる限り大幅に改善されている。
左右ともに多くの打球を処理しており、それに伴いゴロの処理も+12と平均を大きく上回る。
しかしバント処理に関しては相変わらず課題を残している。体型的に出足に問題が付きまとうのは仕方がないのかもしれない。今後シーズンが進んでからもこの水準が保てるのだろうか。
Mike Muoustakas (KC) DRS8 Inn/738.2
2011 DRS2 Inn/778.0
昨年デビューしたRoyals期待の若手が好調な守備を見せている。
今年はライン際の打球には特に強くなり(+15)長打を未然に防ぐプレーが多い。この事が好プレーとミスプレーの比率を向上させた要因なのかもしれない。しかし、三遊間に対しては昨年同様で平均以下の打球処理しか出来ていない。最も大きな課題はバントに対する処理(-4)で、これは昨年最低だったReynoldsよりも悪い。全体的にはポジショニング等の改善があれば、もっと好成績を残す事ができるかもしれない。
Chipper Jones (ATL) DRS9 Inn/412.2
2009-2011 DRS-9(AvgDRS-3) Inn/Avg946
イニングは少ないながら今期限りでの引退が信じられないようなDRSを記録。
三遊間の打球を平均より4つ多く捌き、正面やライン際もアベレージを保っている。
フライやライナーに弱いのはキャリアを通じてで、今年も平均をやや下回る。
特筆すべきはバント処理とGFP/DMEの比率が高水準で、キャリアでも珍しい一年を過ごしている。
広大な守備範囲を期待するのは無理だが、巧みなポジショニングでカバーできるのは流石である。
Adrian Beltre (TEX) DRS2 Inn/604.0
2009-2011 DRS52(AvgDRS17.3) Inn/Avg1104
過去3度のFBA受賞の名手。
2003年以来、驚異的な数字をマークし続けた名手が今年は平均をやや上回るレベル。
やや集中力を欠くプレーが目立ち、キャリアを通して異常な強さを見せていた三遊間への打球処理が平均をやや下回るレベルになっている。毎年多くを記録していたグランドボールの処理も平均より少しだけ多い程度だ。ただし、全体的にはシーズンが進むにつれ改善の兆しが見える。ライン際には相変わらず強いところを見せてはいるので、後半戦に期待したい。過去3年間のバントのRuns Saved(rBU)は+3でLongoria(+7)に次ぐ2番目の好成績を残している。
David Wright (NYM) DRS7 Inn/735.0
2009-2011 DRS-34(AvgDRS-11.3) Inn/Avg1116
2007年にはDRS12を記録するも過去三年は散々な成績に終わったWright。
三遊間に強いのはWrightの特徴だが、ライン際には例年マイナスの数字が並ぶ。
しかし今年はライン際に対しても平均水準を保てているのが大きい。
2009-2010にはボロボロだったゴロの処理も+8と向上をみせ、苦手としているフライボールも
今年は何とか平均を保っている。例年通りダブルプレーにはネガティブな数字が出ているが、GFP/DMEの比率は+2と良い数値を記録。過去3年rBUは-2と低水準だったが、今年はバントに対しても平均レベルで処理できている。
Ryan Zimmerman (WSH) DRS-1 Inn/658.0
2009-2011 DRS28(AvgDRS9.3) Inn/Avg1131
2009年にDRS22でフィールディングバイブルアワードを受賞した名手。
昨年から怪我の影響もあり満足のいく数字が出せていない。
強かったライン際もアベレージレベルになり、正面の打球に関しては平均な三塁手に比べて5も少ない処理。昨年-12を記録したゴロの処理は改善されてるとはいえ、今年も-5に止まり。
このように、本来のZimmermanの能力からすれば信じがたい数字が並んでしまっている。
ポジティブな要素とすればバントの処理は平均以上で、得意のベアハンドでアウトをとる場面は健在を示す。数字の落ち込んだこの2年にあってもGFP/DMEの比率がプラスを示しているのは流石といったところか。
Placido Polanco (PHI) DRS1 Inn/602.1
2010-2011 <3B>DRS9(AvgDRS4.5) Inn/Avg1060
以前は主にセカンドを守っていたが2010年のPHI移籍を機にサードにコンバートされたベテラン。
セカンド、サード問わず常に好成績を出してきた守備の名手だが、今年は平均レベルの数字に留まっている。コンバート後、ライン際の打球に対して非常に強いところを見せていたが、今年はここまで+4と平均よりやや良い程度。三遊間に対しては過去2年同様マイナスの数字となっている。昨年良化した正面の打球処理は今年に入ってまたマイナスに。左右に対するレンジの悪化、正面への脆さがゴロに対する処理数を下げている要因か。ポジティブな要素としてはバント処理で平均以上の数字が出ているところか。昨年のFBAでは4位になっている。
その他ではE.Longoriaは怪我が長引き今期の受賞は絶望的。2008年以降安定した守備を見せているCLEのJ.Hannahanは若干ミスプレイが多いものの三遊間や正面に強い守備を見せている。昨年のFBA3位のSandovalは怪我も影響したのかレンジはアベレージながらゴロの処理が悪くミスプレイも非常に多くを記録しDRSは-6と落ち込んでいる。過去3年間でDRS37を記録しているPHIのRolenも今年はアベレージレベル。強みだった正面の打球(3年間で+28)が平均に落ち込んでいる他、フライボールの処理も少なくなった。それでもミスが少ないのは流石といったところだろう。