Wild Card Game Preview

Photo: Kansas City Royals


Oakland AthleticsのアシスタントGMで、ベースボール・オペレーション部門のディレクターも務めるFarhan Zaidiは、彼らが持つチーム哲学についてJoe Posnanskiの取材に対しこのように答えている。

1) 四球を選ぶだけではなく三振も少ないBB/Kの優れた打者を重視。
2) キャリアのプライムタイムを迎えている選手を集める。
3) 証明可能なスキルを持つ選手を重視。
例えば、左投手強い打者、右投手に強い打者、規則性を持ってHRを打てる打者。

A'sといえばマネーボールで広く知れ渡った四球を重視する戦略がお馴染みだが、彼らは単に打席で相手投手のコントールが乱れる事を待っているだけのチームではない。2014シーズンにA'sの打者が選んだ四球は586でリーグ最多だが、三振数1104はリーグで2番目に少なく、0.53BB/KはMLBで最も選れた数字だ。ストライクゾーンでのスイング率はそれほど高くは無いものの、ゾーンのコンタクト率はリーグで3番目に高い89.3%。スイングストライク率もYankeesに次いで2番目に低い7.7%。TwinsやRed Soxも四球の多いチームだが、三振も多く、ゾーンのコンタクト率などもA'sとは異なる。Athleticsの打者は打席内で自分の打てるゾーンをしっかりと待つ事ができ、スイングすれば空振りをしないという事がわかる。

Oakland Athleticsの打者の打球傾向はフライボールが多く、これも彼らの特徴だ。
Fangraphsのデータでは2012年以降、シーズン毎のフライボール率は3年連続でMLBトップ。
同じく2012シーズン以降、GB/FB(ゴロとフライの比率)は毎年1を切っている。この期間でGB/FBが1未満のチームはAthleticsだけだ。言うまでも無いが、多くのHRはフライボールから生まれている。

再びJoe Posnanskiの仕事から。彼はRoyalsのチーム哲学を"put the ball in play"と評したことがある。
とにかく三振を避ける事。それが第一で、しっかりセレクトした結果、四球になるような打席は数少ない。時折コーチ達が四球や、ゾーンの見極めの重要性を口にするが、結果は大して変わらない。2014シーズンにRoyalsの打者が選んだ四球はリーグ最少の380。これは162試合制になって以降のプレーオフ進出チームではAL最少(ストで短縮されたシーズンは除く)。三振数も985でリーグ最少。インプレーになった打席数4546はMLB最多。まさに"put the ball in play"で、Joe Posnanskiの言葉は正しい。ドラフト戦略からも判る通り、よりアスリート性の高い選手を好んで獲得するが、優れたプレート・ディシプリンを持つ選手は少ない。今のRoyalsを見て、「彼らがやっているのは1970年代のベースボールだ」と言う人もいる。

打球の多くはゴロでGB/FBも常に大きい数字が残る。2012シーズンまでRoyalsのバッティングコーチを務めていたKevin Seitzerは、ゴロばかりを打つRoyalsの打者を見かねて、バッティングゲージの前方に膝下あたりまであるネットを張り、ゴロを打てばそれに引っかかるという形にして打球を上げるよう促したが効果は出ず。そのネットもいつの間にか姿を消していたという。当然HRは増えるはずもなく、今季も95HRで3年連続リーグ最少。162試合制になって以降のALでチームHRが100本未満でプレーオフに出ているのは、ストで短縮になったシーズンを除けば、Royals(1976, 1978, 2014)だけだ。

一方でRoyalsのスピードはリーグ屈指だ。2014シーズンも153盗塁で、2年連続リーグトップ。2012シーズン以降、シングルシーズンのチーム盗塁数が150を超えたチームは他に無い。4年連続でHR<SBというのが象徴的だ。2014シーズンの10.1BsRはIndiansに次いでリーグ2位。2012-2014シーズンの合計31.2BsRはAngelsの20.4BsRを抑えてMLBベスト。

AL Wild Card Game Preview:

それぞれに異なる哲学を持ってチームを作り、シーズンを戦ってきた2つのチーム。
Kansas City RoyalsとOakland AthleticsがAL Wild Card GameをKauffman Stadiumで争う。

A'sのスターターJon LesterはRoyalsが苦手とする投手の一人。今のRoyalsオフェンスの原型が出きたといっていい2011シーズン以降では、Anibal Sanchez, John Danksに次ぐ3番目に良い2.27ERA(min.50IP)を持っている。Kaufmann Stadiumでの登板に限れば、5GSで29IP 26H 9XBH 0HR 3.10ERAという成績だ。
Jon Lesterの代名詞と言えるカッターは今シーズンも健在で、6.7wCTはリーグのスターターで4番目。それに加え、カーブのバリューも7.6wCBでリーグ5位。2球種がリーグ5位以内という水準の高さを保っている。

vs. Jon Lesterではテーブルセッターを務めるAlcides Escobarと青木 宣親はまずまずの成績を残しているものの、ランプロデューサーとしての働きが期待されるAlex GordonやBilly ButlerはJon Lesterを苦手としている。Royalsオフェンスのブライトサイドは終盤に調子を上げてきたEric Hosmer. キャリアのvs. Jon Lesterも13AB .308/.471/.538 1HRと悪くない。打順も含め彼がオフェンスのキーマンになりそうだ。

ジョーカーはJayson Nix。Jon Lesterに対してキャリア26AB .308/.357/.731 3HR。
ただ、Ned Yost監督はすでにMike Moustakasの先発起用を明言しているので、ベンチスタート濃厚。

当然、Royalsとしてはランニングゲームに持ち込んでゲームを有利に進めたいと考えるだろう。
Athleticsの盗塁阻止率はリーグで2番目に低く、Jon Lesterが許した16盗塁もリーグで9番目に多い。
シーズンの戦い方同様にJarrod DysonやTerrance Goreのスピードも重要なカードになる。

RoyalsのスターターはもちろんJames Shields. トレードで獲得した時に組んだシナリオ通りだ。
AthleticsはJosh Donaldsonを除き、彼らの哲学通り左打者を並べたオーダーを組んでくるだろう。
Shiledsが最も注意すべき打者はJosh Reddick。vs. Shiledsは22AB .318/.318/.864 3HRと強烈。
特に今シーズンは悪く、James ShiledsがJosh Reddickに許した安打(6打数4安打)は2HR含め、全て長打。

フライボールの多いAthleticsに対して、外野守備陣が何処まで機能するかもポイントになる。
Royalsの外野手4人合計で46DRSを記録しており、これはリーグでもベスト。外野守備はオフェンスのランニングゲームと同じくゲームに違いを生み出せる要素として重要だ。青木が深い打球に対し難点を示している(rPM Deep -13)のは気がかりだが、攻撃面を考えると外すことは有りえない。展開次第では早めの守備固めはありそうだが。

Ned Yost監督はロスターにローテーション投手を含む9人の投手を入れると明言している。
もちろん早い回にリードを奪い、Kelvin Herrera, Wade Davis, Gregg Hollandの3人に繋いで守りきるパターンがベストだが、もしJames Shiledsが苦しむようなら、Jeremy GuthrieやDanny Duffyあたりのロングリリーフで凌ぐ展開もありそうだ。

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